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海外育ち、就活嫌いから人材ベンチャーで働くサラリーマンの知的好奇心の追求

【Vol 1】人材獲得競争(ウォー・フォー・タレント)

【Vol 1】人材獲得競争(ウォー・フォー・タレント)

 

『人材獲得競争』と聞いてあなたはどう思うだろうか?

 

就活生:「うむ?なんだそれは?」

会社員:「転職したいなー。不安だなー。」

人事担当:「年々、人が集まりにくくなって採用業務が大変。」

経営者:「新しい事業をスケールさせるには優秀な人材がうちでずっと働いてくれるような会社文化を浸透させないとだ。」

 

資本主義の社会を構成する様々な人が多用な意見持っている。

中でもトレンドは、「働き方改革」・「人材不足」・「人生100年の時代」などと、今後のキャリアのあり方を表すテーマがメディアへの露出を増やしている。

 

では人材獲得競争とは何か?

1997年にマッキンゼーのスティーブン・ハンキンという者が発見した社会課題を『ウォー・フォー・タレント』という書籍で企業が生き残るために人材を集め、育成し、活躍させるために今後社会はどう動くべきなのかを示した新しい時代を表した”思想”だ。

 

それは日本という国では特に問題視され、国として解決すべき社会テーマの一つに当たる。労働生産人口の減少、ITによる(無人への)進化、ビジネスモデルの短命化など複数の要素が、「今後は優秀な人材を引き止め活躍できる組織を創らないと会社は事業発展しにくくなりますよ」という時代背景を表している。

 

まずは労働人口だ。日本の出生率は2015年では1.46とされる。若者(今後労働者となる人口)が一定数増える一方で現状65歳以上が人口の4分の1の割合を占めこの割合は右肩上がりだ。新しく生まれる労働人口に対して働かなくなる人口の差分は増えていく一方だ。これを指標としてわかりやすく示したものが有効求人倍率だ。

 

労働人口が減少している中、ITは進化を続けている。会社は利益率を上げるために営業の頭数を増やした分だけ利益が増えるような労働集約型のビジネスモデルからエンジニアドリブンの人を増やさずに利益を生むビジネスモデルを模索している。そうでないと長期的にスケールしないからだ。

 

人は減っていて、ビジネスは1人あたりの生産性を見なければならなくなった。そんな中、既存のビジネスモデルの寿命は短くなっている。自動車業界で屈強なプレゼンスを示すトヨタですらビジネスモデルの転換を求められている。今まではより売れる自動車を作ってきたが今は時代は自動運転だ。今までは、より高い性能の車を作れる技術者を集めそれに成功してきた組織だが今は人口知能を専門的に取り扱えるITエンジニアが働きたいと思う組織に転換する必要が生じてきた。しかし有望なITエンジニアは果たしてエンジニアとして働くことが名誉であるGoogleなどを差し置いてトヨタに行く理由があるのだろうか?

 

会社組織は激動の時代に収益を上げるために、事業を発展させるために、より優秀な人材の確保が必要不可欠になってきている。そして昔の終身雇用の時代とは異なり、優秀な人材は引っ張りだこであるためいつ条件のいいポジションで引き抜かれるかわからない。企業側の人間は優秀な人材を採用し、活躍させ、引き留める魅力的な会社作りを考えるのに必死だ。

 

そんな時代を予想したのが、『ウォー・フォー・タレント』である。

 

そこで私からこの記事を読んでいただいた皆様にメッセージだ。

就活生なら目先の内定を追いかけないでください。将来、時代はどう動き、どういう会社でどういうスキル持てば活躍できるか、そのためにどういう会社に就職すべきなのか、その会社選択を何をもって選ぶのかを今一度考えてみてください。

会社員は色んな方がいらっしゃるかと思いますが、部下を持つ人なら若者は〇〇してあたり前のような固定概念を消し、今”正しい”今まで”正しい”と学んできたことを疑ってください。自分の本質的な市場価値をもう一度見つめ直して見てください。

人事担当は今後もっと苦戦すると思います。本当に今採用しているポジションの採用要件は正しいのか。本当に今の会社は”いい人”が「ここで働きたい!」と思える組織になっているだろうか。採用のあり方は変わってきています。長期的に”いい人”をコストを最小限に押さえて採用できる採用組織を模索してください。”いい人”を言語化してみてください。最適人材配置を考える時に妥協しないでください。

経営者なら多くの方がこの本を読んだことがあるでしょう。上記に記載した思想と合わせて、経営者たる者は最前線で優秀な人材を口説きにいかなくてはなりません。あなたの会社の模範となる動きを示さなくてはなりません。組織を作るのは人です。

 

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。